要介護の介護費用はどれくらい?具体的な内訳と資金準備に向けて

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要介護者の介護費用はいったいどれくらいなのでしょうか?

生命保険文化センターの調査によると、(月額)自宅の場合は4.8万円、施設の場合は12.2万円ということが分かりました。

介護費用の月々の金額
参考元:公益財団法人生命保険文化センター 自宅と施設を合わせたグラフ

一時的な初期費用について

要支援と要介護の違いを復習

日本では、介護サービスを受けるために、市区町村の窓口で【要介護認定】の申請が必要です。介護を受ける方自身や病院の職員等、関係者に聞き取り調査(認定調査)を行い、主治医意見書とともに判定され、介護度が決定します。

要介護とは日常生活の中で介護や支援が必要な状態のことを言い、1~5段階で評価します(数字が大きくなると、介護度が高くなる)。

要支援と要介護で何が変わるの?

要支援と要介護では、利用できる介護サービスに違いがあります。例えば、訪問入浴は要支援・要介護ともに利用できますが、訪問介護は要介護認定を受けた方しか利用できません。また、同じサービスでも要支援と要介護では、週に利用できる回数が異なるのでご注意を。

*訪問入浴:看護職員と介護職員が利用者の自宅を訪問し、持参した浴槽で入浴介助を行うことで、清潔を保持する。

*訪問介護:訪問介護職員(ホームヘルパー)が利用者の自宅を訪問し、身体的介護(食事や排せつ入浴等)や生活援助(掃除や洗濯、買い物等)を行うことで、日常の自立した生活をサポート。

サービスの種類について詳しく知りたい方は、コチラを参考にしてください(厚生労働省介護検索)。

初期費用がかかる

「月々○○円の介護費用がかかる」というのは想像できますね。しかし、それだけではなく【初期費用】も見落とせません。

介護の初期費用
参考元:公益財団法人生命保険文化センター

生命保険文化センターの調査によると、住宅改造費や介護用ベッドの購入費など、一時的(初期費用)な費用の合計平均額は74万円です(約40%の介護経験者は一時的な費用を25万円未満と答えています)。

住宅改造費って何かしら?

住宅改造費とは、廊下に手すりを付ける、玄関の段差をなくす(スロープ)、和式トイレを様式トイレに変更するなど、介護のために自宅を一部改修することです。

初期費用が高くなるのは限度額があるから

こちらを見てください。

初期費用の内訳
参考元:公益財団法人生命保険文化センター

介護保険も医療保険と同様、自己負担割合が1~3割と決まっています。上記資料を見ると、1割負担の方は合計金額が20万円の時、自己負担額は2万円ですね。

さっきの情報だと初期費用の平均は74万円だったわよね。どうしてそんなに高くなるの?

初期費用が高くなる理由は、住宅改修費には20万円という支給限度額があるからです。20万円の改修工事を行った場合、1割負担者は2万円、2割負担者は4万円、3割負担者は6万円で済みますね。ただし、20万円を超えた分の費用は全額自己負担となることに注意が必要です。

※住宅改修費は要支援・要介護ともに上限20万円です。

介護費用の具体的な内訳

介護保険の支給限度額について

1割負担の時、月の介護費用が50万円なら5万円って考えて良いの?

介護保険サービスは、要介護度別に利用限度額があります。つまり、この限度額を超えてサービスを利用する際は、全額自己負担で支払いが必要です。

【介護度別利用限度額】

利用限度額自己負担1割自己負担2割自己負担3割
要支援15万320円5,320円1万64円1万5,096円
要支援210万5,310円1万531円2万1,062円3万1,593円
要介護116万7,650円1万6,765円3万3,530円5万295円
要介護219万7,050円1万9,705円3万9,410円5万9,115円
要介護327万480円2万7,048円5万4,096円8万1,144円
要介護430万9,380円3万938円6万1,876円9万2,814円
要介護536万2,170円3万6,217円7万2,434円10万8,651円

基本的には、利用限度額内でケアプランを作成すると思いますが、サービスを追加し限度額を超えた部分が全額自己負担になる点には注意しましょう。

その他の介護費①通院費

介護を受けられる方で、月に1度は通院が必要と考えると、約1万円の出費になると思います。通院に必要な交通費(特にタクシーの場合)を含めると、もう少し高くなりますね。

その他の介護費②オムツなどのな耗品

残念ながら、オムツは公的保険の対象外のため全額自己負担です。「老人ホーム検索サイト みんなの介護」を参考にしたところ、オムツ1枚当たり約50~70円、中~高度の介護が必要な場合、月のおむつ代は1万円前後ということです。

病院と自宅でオムツの交換頻度は異なると思いますが、私が看護師をしていた時も、自分でトイレに行けない(介護が必要)方のオムツの交換は1日5回+αでした(もっと多いことも)。

介護費用は自宅で4.8万円、施設で12.2万円

介護費用の平均額ですが、自宅か施設かで異なります。

生命保険文化センターの調査をもとにすると、在宅介護は平均4.8万円/月、施設介護費用は平均12.2万円/月という結果になりました。

介護は長期戦で計画を立てる

介護について

最後に、介護を始めたばかりのかた、もしくは介護に備えている方へ、介護資金の準備の仕方についてご紹介します。

ご両親の資金の把握

私は今、患者や家族の相続に関する問題にも取り組んでいますが、親子間での情報のやり取りは本当に重要介護を始める前に、ご両親のお金の把握をしましょう。

まずは、そこからどうやりくりできるかです。さらに、生活費や保険の見直しで不必要な支出を減らすことも重要です。

早めに専門家へ相談

介護費用の相談が出来る窓口は、各市区町村の他ケアマネージャーや、一部医療機関でも相談窓口を置いているところがあります。

市区町村独自で行っているサービスもありますので、一人で悩まずに相談してください。

介護を想定してお金の見直しをしたいなら

今後の医療費や介護費のために、普段の生活のお金を見直す人が増えています。介護費のために○○円貯めたいけれど、家族4人で今の生活を続けても良いのか?

今後の収入の増減や子どもにかかる資金を加味して、長期目線で家庭の収支を把握している人は少ないのではないでしょうか。

今後のお金に関する人生設計を考えている方は、お気軽にお問合わせいただければと思います。